中学高校向山型国語授業研究会では主に3つのメーリングリスト(ML)を運営しています。(MLとは、登録している人にメールが届くグループのことです)
1)中高向国ML(だれでも参加できます)
2)中高向国入門誌購読者ML
3)セミナー参加者ML
それぞれのMLでお題を決め意見がかわされています。
例えば【中高向国ML】では、
「授業開きで何をしましたか」
「1時間の流れをどのように組み立てていますか」
「副教材で何を購入しましたか」
といった話題が出ています。
また、それぞれのMLで事務局による連載の執筆も始まっています。
中高向国MLはだれでも入れます。
参加のお申し込みは以下で受け付けております。
高校の先生が以下のメールを出してくれました。
前号の続きです。
10日(金)が授業開きでした。
今回は、
【同じ原理を使って問題を解かせる】
ということに重点を置いた読解指導を行いました。
と言っても、もとにしたのは「読解スキル」の基本形。
(算数の指導を研究するのに、「計算スキル」 を参照するのと似ています。)
スキルの「解き方」、たとえば「問題文にある言葉が、 答えを探すときのヒントになるよ。同じ言葉や似た意味の言葉を、 本文中から探そう。」 などをノートを書くときのシステムにしてしまってはどうか、 という試みです。
自己紹介、レディネステスト、音読指導を手早く終え、 こんな読解指導をしました。
ちなみに、ノートの書き方はコピーして配っています。
なぜなら、高校国語には「ノートスキル」が存在しないからです。
教材は「どうすれば虹の根もとに行けるか」(明治書院)。
【問 虹を見て、作者はどのようなことを考えたのか。 二十字以内でまとめよ。】
ノートにこんなフォームを作らせた。
〈 〉(解答欄。二十字分)
(1)問題の言葉 同じ意味の言葉を探す
・その根もとがどんなふうになっているのだろう、 と夢みるように考えた。
(「考えた」をマルで囲ませている。)
(2)条件 字数に合わせる
【指示1 (1)で抜き出した部分を削って、字数を減らしなさい。】
補助発問1 たとえば、「夢みるように」は要りますか。(要らない)
補助指示1 そういったところは線で消していくのです。
補助指示2 これは難しいので、列で相談します。席を離れてもいいから、 どのように字数を減らしたか意見を交換しなさい。
私の授業はこういう(動きを要求する) 授業なのだと理解してくれたようで、何とか動き始める。
真剣である。
途中、「文末はどうするんだ?」という声が。
これは取り上げた。「『こと』で終わっている人?・・・ これは当然、『こと』で終わりますね。」
「ええ~っ」という声が聞こえた。
実は、文末を「こと」 にさせることで敢えて字数制限を厳しくしている。
相談が下火になったところで、全員に問う。
補助発問2 一カ所でも直せた人?
3名が挙手、それぞれ直す。
ただ残念なことに、うち1名しか名前で呼べなかった。
(顔写真を覚えて教室に入っていたのだが、 実物はイメージが違う!!!)
答え 虹の根もとがどうなっているかということ。(十九字)
全員、ほぼ同じ答え。